教会の怪物たち ロマネスクの図像学 (講談社選書メチエ)
によって 尾形 希和子
3.7 5つ星のうち(4人の読者)
教会の怪物たち ロマネスクの図像学 (講談社選書メチエ)本ダウンロード無料pdf - 内容紹介 教会をよく観察してみると、怪物、魔物、実在のまた想像上の動物、植物などのシンボルに満ちた空間であることに驚きます。よく知られたものだけでも、口から植物を生やしているグリーン・マン、双面のヤヌス、人魚、ドラゴン、グリフォンなどです。もちろん、キリストや聖人などの図像もあります。それらのイメージは、絵画や柱頭彫刻、祭壇やアーケードのレリーフといったかたちで、教会にちりばめられ、まるで一枚の世界地図を体現しているようです。なぜ、怪物が教会にいるのか。二つの尾をもつ人魚を例に考えてみましょう。人魚は豊饒の表象であると考えられていたようです。というのも、人魚の原型は、ギリシア神話の『オデュッセイ』や『アルゴナウティカ』に登場する「キルケー」という魔女で、中世にまで生き延びていた女シャーマンだからです。キルケーが怪物に性を与えるように、自らの生成の場所である「子宮」を誇示するような彫刻となっているのです。また、グリーン・マンもバッカス的な祭礼に結びつく、豊饒の男版のシンボルと考えられます。本書では、とくにこういった怪物的シンボルが横溢するロマネスク教会を中心に、解読をしていきます。キリスト教と一見無縁に思われる不思議なイメージの中に、失われた民衆の精神史を探ります。また、実際の教会巡りの際に、役立つ図像事典の性格ももたせ、旅行ガイド的要素も盛り込みます。 内容(「BOOK」データベースより) イタリアに点在するロマネスク教会。聖堂に跋扈する恐ろし気でコミカル、猥雑な怪物たち。なぜそれは聖堂内に描かれるのか?そして何を意味するのか?「単なる装飾」として片付けられてきた怪物たちを民族学や心理学的アプローチを加え読み解く、新しいイコノロジー。グリーンマン、人魚、グリフォン、犬頭人…イタリアン・ロマネスク・ガイドの決定版!写真図版、多数収録。 著者について 尾形 希和子尾形希和子(おがた・きわこ)1959年生まれ。大阪外国語大学卒業。東京外国語大学大学院修士課程修了。沖縄県立芸術大学講師を経て、現在、同大学教授。専門は、ロマネスクの図像学、西洋美術史。著書に、『レオノール・フィニ 境界を侵犯する新しい種』(東信堂)、『イメージの解読 怪物』(共著・河出書房新社)、論文に「遙かなる石の記憶」など、訳書に『バロックのイメージ世界綺想主義研究』(共訳、みすず書房)、『スキタイの子羊』(博品社)などがある。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 尾形/希和子 1959年生まれ。東京外国語大学大学院地域研究研究科修士課程修了。沖縄県立芸術大学教授。専門は西洋中世美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る
教会の怪物たち ロマネスクの図像学 (講談社選書メチエ)の詳細
本のタイトル : 教会の怪物たち ロマネスクの図像学 (講談社選書メチエ)
作者 : 尾形 希和子
ISBN-10 : 4062585685
発売日 : 2013/12/11
カテゴリ : 本
ファイル名 : 教会の怪物たち-ロマネスクの図像学-講談社選書メチエ.pdf
ファイルサイズ : 26.25 (現在のサーバー速度は24.75 Mbpsです
以下は、教会の怪物たち ロマネスクの図像学 (講談社選書メチエ)に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
イタリア全土をめぐり、大小数々の教会を踏査して、教会建築のなかに潜む様々な彫刻・紋章・レリーフ等のモチープとなった怪物たちをめぐる大変まじめな学術書。学生時代ほんの一時期ではあるが、同じ講義をうけたこともあるイタリア中世美術を専門とする著者の渾身の一冊です。日本のイタリア地域研究の水準を示しているのではないでしょうか?この一冊であなたの西洋キリスト教会についての理解がいっそう深まるはずです。ただし、これは入門書としては、すこしレベルが高いと思いますので、聖書の基本的な知識(旧約や新約の西洋人には常識であるお話)や教会の歴史などをすこしでもかじっておくといっそう面白く読めるものと思います。
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